ホームページと「ファイルの種類」
「PDF」「JPEG」「PNG」「AI」等のファイル形式について解説いたします。
ホームページ(以下HP)はもちろん、知っておくと普段の業務にも役立つ内容となっておりますので、ぜひご覧ください。
●PDFとは?
要項やチラシなどでよく使われる「PDF」。普段の業務でも多く使われる形式のファイルで正式名称は「Portable Document Format」です。アメリカadobe(アドビ)社が開発した形式で、世界中でとても幅広く使用されています。
ホームページの場合、お知らせチラシや問診表など、印刷が想定されるものにPDFがよく利用されています。
ではなぜこれ程多く利用されているのでしょうか。
●PDFの特徴・メリット
PDFの特徴としては下記の点が挙げられます。
・PC、スマホ、タブレットどんな端末でも同じように閲覧ができる
・スマホで拡大ができる
・印刷した紙面と同じようにデータ化できる、印刷時にずれなどが起きにくい
・Word、Excelなどで作ったデータをPDFにできる
・PDF化前の元データより軽くなる
特に1つ目の特徴である「PC、スマホ、タブレットどんな端末でも同じように閲覧できる」ことは、昨今のホームページにおいて重要です。
なぜなら、クリニックのホームページの「閲覧割合の7割はスマホ」からのアクセスだからです。
●Word・ExcelのままでなくPDFにする理由は?
スマホが普及するまでの時代では、ホームページにWord、Excelのファイルをアップすることも多くありました。WordやExcelでのアップは、閲覧者がPCの場合、ホームページからダウンロードしたファイルに直接入力等ができるというメリットがあります。
そのため、問診表やアンケートといった、閲覧者が入力を行うファイルの場合はWord、Excelでのアップは有効的です。
しかし、スマホでWordやExcelを使っている方は少ないため、PCのようにファイルへの入力はできず、またスマホによっては閲覧できなかったり、できても表示が崩れてしまうことが多くあります。
そのため、WordやExcelで作ったファイルも、なるべくPDF化してホームページに公開することが望ましいとされています。
Word、ExcelのPDF化の仕方については下記参考サイトをご覧ください。
参考サイト:広島大学情報メディア教育研究センター 様
JPEGとPNG
●画像の形式「JPEG」「PNG」
写真画像やイラストなどのファイル形式は多く存在していますが、ここではHPに主に使われる「JPEG(.jpg)」と「PNG(.png)」の2種類について説明します。
●JPEGとは
JPEGは「ジェイペグ」と読み、「Joint Photographic Experts Group」の略称です。約1,677万色のフルカラーで画像を表現できることから、ほとんどのデジカメでは、このJPEGが標準の保存形式となっています。
弱点としては、圧縮すると画像が劣化してしまう点があります。
●PNGとは
PNGは「ピング」または「ピン」と読み、「Portable Network Graphics」の略称です。特徴として256色の形式と1677万色のフルカラー形式のどちらにも対応可能です。
また、JPEGと異なり画像に「透明な部分」を作れることも特徴です。
弱点として、JPEGより容量が重くなってしまう点があります。
●JPEGとPNGの使い分け
基本的にPNGの方が新しいファイル形式のため、JPEGよりもPNGの方がメリットは多いです。しかし、全く同じ画像を表現する場合はJPEGの方が容量は軽くなります。
そのため、使い分けとして、切り抜きで使うことが少ない「写真などの画像はJPEG」、透明な部分が必要だったり、大きさがまちまちになりがちな「イラストなどの画像はPNG」で使い分けるのが推奨されます。
AI
●プロが制作する「AI形式」のデータ
「AIデータがないとイラストの編集ができません」
「AIデータがないからロゴが粗くなります」
などど弊社や業者様とやり取りをされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
AIデータとは、ファイルの末尾に「.ai」とつくデータで、イラストやロゴ等のグラフィック制作で使われるものです。プロの業者様はこのAI形式のデータを用いて作図します。
AIデータは、原則「illustrator」という専用ソフトでしか閲覧・編集することができません。そのため、業者様からAIデータを受け取っても、ソフトが入っていないPCでは中身を見ることができません。
では何故AIデータがホームページ制作などには必要なのでしょうか。
●なぜ「AIデータ」が必要なのか
AIデータは「ベクターデータ」と言われる種別にあたります。ベクターデータは拡大しても粗くならないという特徴があります。
それに対し、JPEGやPNGは「ラスターデータ」と呼ばれており、それぞれの仕様は異なります。
・ベクターデータ:点の位置とそれを結ぶ線を数値データで表現(拡大してもぼやけない)
・ラスターデータ:1pixelの点(ドット)を集めて図を表現(拡大するとぼやける)
HPなどでは、掲載箇所に合わせて、ベクターデータからラスターデータへと出力して使用しています。
また、もしイラストやロゴ等のグラフィックを編集する際には、大本となるAIデータが必要となります。
上記の理由から、ホームページに掲載するイラストやロゴのデータは、なるべくAIデータでのご用意が推奨されます。