サイト貸しのリスクについて
昨今、「自社のコンテンツをあなたのサイトの中に置きたい」といった「サイト貸し」の営業が広く行われています。
サイト貸しとは多くの場合、サイトの一部分をアフィリエイトサイト(広告収入が目的のサイト)として第三者に提供するものです。
具体的には以下のようなイメージで、サイトの一部を貸すことになります。
↑本体サイト
https://○○○.jp/△△△/
↑【△△△】の部分を第三者に提供する(サブディレクトリ貸し)
https://△△△.○○○.jp/
↑【○○○.jp】から派生する【△△△.○○○.jp】というサブドメインを取得して、第三者に提供する(サブドメイン貸し)
これは貸す側に多大なるリスクがあります。
ご自身のサイトが不利益を被る可能性が高いため、この営業が来た場合、お断りいただく事を強くお勧めいたします。
その理由となる主なリスクについて、下記にてご案内いたします。
リスク1:貸したサイトの評価が悪い場合、悪影響を受ける
貸したサイト(サブドメイン、サブディレクトリ)が検索エンジンから芳しくない評価をされた場合、本体のドメインにも、検索順位の著しい低下等の悪影響を及ぼす可能性が大きいです。
また、病院・クリニックホームページの内容と関連性の低い情報を掲載することにより、全体としてドメインの価値が薄くなるため、SEO効果が低くなる(=検索順位が下がる)可能性が高まります。
リスク2:削除した後もサイトを貸した記録が残る
貸したサイトでトラブル等があった場合、削除しても記録がWeb上に残り続けます。一例ですが、下記サイトにはWebサイトの運用履歴が保存されており、過去のサイト表示を見る事が可能です。
https://archive.org/
もちろん、貸したサイトの内容も残り続けます。
その為、良質でない運用が行われた場合、その形跡が残り続けてしまい、検索エンジンの評価に悪影響を及ぼし続けるリスクにさらされます。
リスク3:貸したサイトのコントロールができない
貸したサイトの運営は、借りた側が行う事が多く、それがリスクにつながります。借りた側の運用するコンテンツ内に、悪質なものがあった場合、貸している側の評価に関わるからです。
主に上記の様なリスクが挙げられます。 特に、サブドメインではなく、サブディレクトリを借りたいと言われる場合は要注意です。 サブディレクトリ貸しは、サブドメインを貸す事よりも、悪影響が出るリスクが高いとされています。
この様な営業をしてくる理由として、新しいドメインでサイトを立ち上げても思うように検索順位を上げる事が難しい事が挙げられます。 検索エンジンの評価基準が厳しくなっている昨今、新たなコンテンツを上位へ引き上げるよりも、元々上位に表示されているサイトのサブディレクトリやサブドメインを借りる方がはるかにお手軽だからです。
当然、営業する側はサイトを貸す事のメリットについて案内される筈ですので、一例ですが、下記のような案内をされるケースもあるでしょう。
ドメインパワーの向上
業者が自社のコンテンツを展開することで、クリニックのドメインにもユーザーが集まり、集客力が向上する
金銭的報酬
サブドメインやサブディレクトリを貸すと、サイト収益の一部を得られる
上記は一見魅力的に感じられます。 けれども、ドメインパワーの向上については、反対に、検索エンジンの評価を著しく下げる可能性の方が高いと言えます。 長期的に見た場合、検索をしてもご自身のサイトが上位に上がってこない事は、集患(=収益)の面からも、印象の面からも、望ましくない影響を広く及ぼすことにつながりますので、十分にご注意ください。
また、金銭的報酬を得られると謳っている場合、コンテンツから発生したアフィリエイト収入の数割を払うといった好条件を提示されるなど、一見好条件に思える内容であっても、実際に効果が出るのはごく短期間で終わり、長期的に見ればマイナスの結果になる危険性が高いと言えます。 Google側では既にサイト貸しに対する対応を行っており、サイト貸しを行っているサイトには相応の影響が出ると考えられる為です。
検索エンジンは、本来の趣旨・目的に沿ったサイトであるかどうかを判断基準の一つとしています。
その為、検索順位の良いクリニックサイトに間借りして、簡単に自社コンテンツの収益を上げようとする行為に対しては、相応の対応を採ります。
今後、「サイトの一部を貸してほしい」といった営業が来られた場合は、十分にご注意ください。